妊活レシピ|カツオときのこのソテー オニオンソース

妊活レシピ|カツオときのこのソテー オニオンソース

妊活中は、何を食べればいいのか。情報が多すぎて、かえって迷ってしまうものです。

この記事では、広島市で妊活のご相談を受けてきた元料理人の鍼灸院院長が、カツオときのこを使った「オニオンソースのソテー」を、栄養と薬膳の両面から解説します。調理時間は20分。特別な食材は使いません。

この記事でわかること

・カツオ・きのこ・玉ねぎ・生姜が、妊活中の食事でなぜ注目されるのか
・1人分の栄養と、この1皿では足りない栄養
・妊娠中に気をつけたい「魚の水銀」の考え方(厚生労働省の資料より)
・そのまま作れるレシピと、おいしく作るコツ

先に結論:この1皿の強みは「鉄・ビタミンB12・たんぱく質」

結論から言うと、妊活でこれだけ食べればいいというメニューはありません。日々の献立が大切で色々な食材を摂ることが重要です。このメニューは、鉄とビタミンB12とたんぱく質を、無理なく一度にとれる主菜です。

・カツオ100gで、たんぱく質25.8g、鉄1.9mg、ビタミンB12 8.4μg(文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」)
・ビタミンB12は、成人の推奨量2.4μg/日の3倍以上を1食でカバーできる
・きのこで食物繊維、玉ねぎと生姜で体を温める構成
・薬膳では「気血を補い、脾胃(胃腸)を整える」組み立てになる

ただし、これは「これを食べれば妊娠する」という話ではありません。妊活は治療・体調・年齢・パートナーの要因が重なるもので、食事はそのうちの土台づくりを担当するものです。その前提で、毎週の献立に組み込みやすい1皿として紹介します。

材料(2人分)

食材 / 分量 / 下ごしらえ
カツオ(柵または切身) / 200g / 水気を拭き、2cm角に切る
しめじ / 1/2パック(50g) / 石づきを落とし、ほぐす
えのき / 1/2袋(100g) / 石づきを落とし、長さを半分に
玉ねぎ / 1/2個(100g) / みじん切り
生姜 / 1片(10g) / みじん切り
醤油 / 大さじ1.5 / ―
味醂 / 大さじ1.5 / ―
酒 / 大さじ2 / ―
塩・油 / 各少々/大さじ1 / 米油・オリーブ油など
片栗粉 / 小さじ1(任意) / ソースの絡みを良くする
大葉・赤パプリカ / 各適量 / 千切り(彩りあとがけ)

作り方(調理時間20分)

  1. カツオの下ごしらえ(5分)。水気をしっかり拭き、塩少々をふって5分置きます。出てきた水分をペーパーで拭き取り、厚みがあれば2cm角に切って片栗粉を薄くまぶします。血合いの黒い部分は削ぎ取るか、酒少々でさっと洗うと生臭さが残りません。
  2. きのこを焼く(4分)。フライパンに油少々を熱し、しめじとえのきを強火で、動かさずに焼き付けます。焼き色がついたら塩ひとつまみで調味し、いったん取り出します。
  3. オニオンソース(5分)。同じフライパンに油を足し、玉ねぎのみじん切りを中火で3〜4分。透き通って甘い香りが立つ手前まで炒めます(飴色にしない)。生姜を加えて香りを出し、酒、味醂の順に加えてアルコールを飛ばし(約1分)、最後に醤油を加えて軽く煮詰めます。
  4. カツオを焼く(3分)。フライパンを拭いて油を熱し、強火で片面1分〜1分半、返して1分。中心まで火を通します(目安:中心温度75℃で1分以上)。焼きすぎるとパサつくので、火が通ったらすぐ引き上げます。(魚焼きグリルでも可)
  5. 盛り付け。きのこを敷いてカツオをのせ、オニオンソースをかけます。大葉の千切りと赤パプリカを散らして完成です(あれば)。

おいしく作る3つのコツ

・カツオの水気は必ず拭く。ここを省くと、臭みと水っぽさが出ます。
・きのこは動かさない。触らずに焼き付けることで、旨味と香ばしさが出ます。
・ソースでカツオを煮ない。身が固くなるので、必ず「焼いて、かける」で。

栄養から見た評価(1人分)

材料の割合から算出した概算です。

栄養素 / 量 / 妊活との関わり
エネルギー / 約240kcal / 高たんぱく・低脂質。主食を足しても重くならない
たんぱく質 / 約27g / 卵子・精子を含む、体の組織づくりの材料
鉄 / 約2.4mg(カツオ100gで1.9mg) / 赤血球のヘモグロビン合成に必要
ビタミンB12 / 約8.4μg / 赤血球の形成とDNA合成に関与

※調理油の量によりエネルギーは変動します。

鉄は「ヘム鉄」だから吸収率が良い

カツオの鉄は、動物性食品に含まれるヘム鉄です。ほうれん草など植物性の非ヘム鉄に比べて吸収率が良く、胃腸への負担も比較的少ないのが特徴です。鉄は、妊娠を望む時期から意識したい栄養素のひとつです。

ビタミンB12は赤血球とDNA合成に関わる

ビタミンB12は、赤血球の形成とDNA合成に関与するビタミンです。動物性食品にしか含まれないため、魚介をあまり食べない方は不足しやすい傾向があります。カツオはその供給源として効率の良い食材です。

たんぱく質・ビタミンB6・セレン

カツオはたんぱく質が100gあたり25.8gと多く、ビタミンB6やセレンも含みます。ビタミンB6はアミノ酸の代謝に、セレンは抗酸化酵素の構成成分として働きます。

この1皿で足りない栄養(葉酸・カルシウム・ビタミンD)

この料理だけで妊活に必要な栄養が揃うわけではありません。特に次の3つは別で補う必要があります。

・葉酸:カツオ100gあたり約6μg。妊娠を計画している方・妊娠初期の方は、食事に加えてサプリメントなどで400μg/日の摂取が望まれます(厚生労働省)。
・カルシウム:魚・きのこには少なめ。小松菜、豆腐、乳製品などで補います。
・ビタミンD:ぶなしめじ0.5μg、えのきたけ0.9μg(可食部100gあたり)。このレシピのきのこ150gでは合計1μg程度で、1日分としては控えめです。まいたけ(4.9μg)や干ししいたけ(12.7μg)に置き換える、または足すのが効率的です。

薬膳から見た4つの食材

薬膳では、食材を「性味(五性・五味)」と「帰経」で捉え、体の状態に合わせて組み合わせます。

食材 / 性味 / 帰経 / 働きの捉え方
カツオ / 甘/平(温性とする資料もあり) / 脾・腎 / 気血を補い、胃腸の調子を整える
しめじ・えのき / ― / ― / 胃腸をいたわる食材として用いる
玉ねぎ / 辛・甘/温 / 脾・肺 / 気血の巡りを促す
生姜 / 辛/温 / 脾・胃・肺 / 胃腸を温め、働きを助ける

カツオの五性は、平性とする資料と温性とする資料があります。五味の「甘」、帰経の「脾・腎」、そして「気血を補う/胃腸を整える」という働きについては、多くの資料で一致しています。

妊活中にカツオを食べるときの注意点(水銀)

厚労省の「注意すべき魚介類」にカツオは入っていない

厚生労働省は、妊婦が摂取量に気をつけるべき魚介類として16種類を挙げ、それぞれ週あたりの目安量を示しています。キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチマグロ、ミナミマグロ、クロムツ、キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ヨシキリザメ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラ、バンドウイルカ、コビレゴンドウ、イシイルカです。カツオはこの中に入っていません。東京都保健医療局も「特には注意が必要でないもの」として、ツナ缶・サケ・アジ・サバ・イワシ・サンマ・タイ・ブリ・カツオなどを挙げています。

それでも偏らせない:週1〜2回が目安

一方で、愛知県衛生研究所の整理では、一般の魚のなかではマグロ類やブリと並んで、水銀濃度が相対的に高めのグループに入ります。週1〜2回、1回80g程度を目安に、サケ・アジ・イワシなどと交代で食べるのが現実的です。特定の魚に偏らなければ、魚食のメリットのほうが大きいと考えられています。

加熱は中心まで

厚生労働省は、加熱調理の目安を「中心部の温度が75℃で1分間以上」としています。妊娠中は生ものや加熱不十分な魚介を避け、中心まで火を通すことを基本にしてください。

もっと妊活向けにするなら:大葉と赤パプリカ

仕上げに大葉と赤パプリカを少量足すと、香りと彩りが良くなり、栄養面でも補い合えます。

・大葉:香りで食欲を支え、薬膳では気の巡りを意識した組み合わせに。ビタミン類も補えます。
・赤パプリカ:ビタミンCが豊富。彩りも良くなります。

ただし、ビタミンCが吸収を助けるのは主に「非ヘム鉄」に対してです。カツオの鉄は吸収率の良いヘム鉄なので、パプリカの効果はおまけと考えてください。それでも、ビタミンC・食物繊維・彩りの補給として優秀なので、少量添える価値は十分あります。

こんな人に向く料理/気をつけたい人

向いている方:疲れやすい、冷えが気になる、貧血気味と言われたことがある、食事が偏りがち、魚料理のレパートリーが少ない。

気をつけたい方:魚アレルギーのある方。カツオはプリン体が比較的多いため、尿酸値が高いと言われている方は量に注意してください。腎臓の病気でたんぱく質制限を受けている方、妊娠中で主治医から食事の指示がある方は、自己判断せず主治医・管理栄養士にご相談ください。

よくある質問

カツオは妊活に良い食材ですか?

鉄・ビタミンB12・たんぱく質を多く含むため、妊活中の体づくりを支える食材のひとつです。ただし、これを食べれば妊娠するというものではありません。

どのくらいの頻度で食べてよいですか?

カツオは厚生労働省が摂取量の目安を示している16種類には入っていません。ただし一般の魚のなかでは水銀濃度が相対的に高めなので、週1〜2回、1回80g程度を目安に、他の魚と交代で食べるのが現実的です。

血合いは食べてもいいですか?

加熱すれば問題ありません。血合いには鉄が多く含まれますが臭みが出やすいため、酒で洗うか、よく焼くのがおすすめです。

きのこは加熱するとビタミンDが減りますか?

ビタミンDは脂溶性で、比較的熱に安定しています。むしろ生のしめじ・えのきは含有量が少ないため、まいたけや干ししいたけを加えるほうが効率的です。

妊活中に生姜を食べても大丈夫ですか?

料理に使う量であれば問題ありません。体を温める食材として活用できます。大量に摂る必要はありません。

まとめ

カツオときのこのソテーは、鉄・ビタミンB12・たんぱく質を1皿でとれる、妊活中の献立に取り入れやすい主菜です。薬膳の考え方では、カツオで気血を補い、きのこで胃腸を整え、玉ねぎと生姜で巡りをサポートする組み立てになります。

葉酸・カルシウム・ビタミンDは別の食品で補い、カツオは週1〜2回を目安に、他の魚と交代で。この3点を押さえれば、特別なことをしなくても、日々の食事は十分に整っていきます。

「何を食べたらいいかわからない」「食事の相談もしたい」という方は、当院の妊活サポートもご利用ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果を保証するものではありません。症状や治療中の病気がある場合は、主治医の指示を優先してください。

この記事を書いた人

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レガロ妊活鍼灸院 院長 市川 博永
鍼灸師(国家資格)/開業18年
JCCA認定 キッズスペシャリスト
一般社団法人 婦人科セラピー協会・日本妊活協会ほかにて研鑽
IGL医療専門学校での特別講義、婦人科セラピー協会オンライン講師など登壇実績

私たち夫婦も、不妊治療と流産を経験しました。妻は40代で自然妊娠・出産。当時、治療院を開業して10年以上経っていたのに、いちばん身近な妻のために何もできない自分が悔しく、料理人だった経験を活かして薬膳と分子栄養学を学び直しました。このレシピは、そのときに「毎日続けられる形」に落とし込んだ料理のひとつです。(個人の感想であり、効果を保証するものではありません)

広島市中区舟入本町9-20-203/082-299-0288

妊活ブログ|レガロ妊活鍼灸院 
症例レポート|レガロ妊活鍼灸院

参考文献

  1. 厚生労働省「魚介類に含まれる水銀について」(妊婦への魚介類の摂取と水銀に関する注意事項/平成22年6月1日改訂)
  2. 厚生労働省「家庭での食中毒予防」(加熱の目安:中心部75℃で1分間以上)
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース
  4. 東京都保健医療局「妊娠中の方へ ~魚介類等の摂取と水銀について~」
  5. 愛知県衛生研究所「魚介類中の水銀濃度から魚の食べ方を考える」(2024年7月8日)
  6. 厚生労働省「葉酸とサプリメント ―神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」

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市川博永のイメージ
(レガロ鍼灸院院長・ふないり鍼灸整骨院院長)
市川博永
当院は、単に技術を提供するだけでなく、確かな実績と学術的活動に基づいた専門的なサポートを行っています。 ◆ 圧倒的な臨床経験と妊娠実績 • 開業18年・国家資格者による施術 延べ10万人以上の施術実績を持つ「ふないり鍼灸整骨院」の院長が、全ての施術を責任持って担当します。 • 開院5年で100人以上の妊娠報告 自身も不妊治療を経験したからこそ辿り着いた「鍼灸 × 分子栄養学 × 中医薬膳」の掛け合わせにより、体質改善へ ◆ 医療現場やプロのセラピストへの指導実績(講師活動) その確かな知識と技術は、次世代の医療従事者や全国のプロの治療家からも認められ、講師として教壇に立っています。 • 母校・IGL医療専門学校での特別講義・講師登壇 • 一般社団法人 婦人科セラピー協会でのオンライン講師登壇 • その他、妊活や健康に関する各種イベント・セミナーへ多数参加 ◆ 出産後、お子様の成長まで見据えたサポート 私たちのサポートは「妊娠・出産」がゴールではありません。 • JCCA認定 キッズスペシャリスト資格保有 当院で無事に生まれてきてくれたお子様たちが、健やかに育つための成長・発達アドバイスや、子育てサポートも治療院にて行っています。
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