【症例報告】人工授精6回・内膜最高6mmから10mmへ│「頭熱足寒」の改善でご出産された症例│広島の妊活不妊鍼灸 レガロ
人工授精6回、内膜は最高6mm──「頭熱足寒」を整えて内膜10mmになり、無事ご出産された症例
症例サマリー
| 患者様 | 30代後半 女性(会社員) |
|---|---|
| 来院時の状況 | 人工授精(AIH)6回不成功。体外受精へのステップアップを控え、「内膜の薄さや冷えを改善したい」とご来院。 |
| 主なお悩み | 子宮内膜が厚くなりにくい(最高6mm)/手足の冷え/呼吸が浅い/胃腸が弱い |
| 月経周期・体温 | 34日周期(やや長め・高温期が短い)/低温期でも36.5℃前後と体温が高め |
| 食習慣の傾向 | 食事の量が全体的に少なく、タンパク質の摂取が不足しがち |
| 東洋医学的見立て | 頭熱足寒・脾胃気虚(熱が頭部に偏り、下半身・骨盤内へ気血が届きにくい状態) |
| 主なアプローチ | 週1回の鍼灸施術(上熱を下半身へ誘導・胃腸強化)+ 食事・栄養指導(タンパク質・ビタミンA) |
| 結果・経過 | 通院開始約1ヵ月後、子宮内膜約10mmで胚移植 → 判定日に陽性(妊娠成立) → 経過良好で無事ご出産 |
ご来院のきっかけ
人工授精を6回重ねられたものの着床・妊娠には至らず、クリニックでの基本検査では「特に異常は見当たらない」と言われていました。しかしご自身の実感として、排卵期や移植期になっても子宮内膜が最高6mm前後と薄く、生理周期も34日と乱れがちでした。
いよいよ体外受精へステップアップするという大切な時期を前に、「このまま同じ状態で移植に進んで良いのだろうか」「少しでも着床しやすい体をつくって迎えたい」という強い想いから当院の妊活鍼灸を見つけ、ご来院くださいました。
医療機関の検査で「異常なし」と言われても、妊娠に至らないケースは決して珍しくありません。生殖医療の検査や投薬治療を尊重しながら、検査数値には表れにくい「冷え・胃腸機能・骨盤内の血流・自律神経のバランス」といった身体の土台を整えることが、鍼灸・東洋医学の大切な役割です。
初診時のお身体の状態
丁寧な問診・触診(脈診・腹診・舌診)および基礎体温表の確認から、以下のサインが明確になりました。
- 子宮内膜の厚み:クリニックの超音波検査でこれまで最高6mmと、着床に適した厚みに届きにくい
- 月経周期・基礎体温:周期は34日と長めで高温期が短い。一方、低温期でも36.5℃前後と高めで推移
- 冷えと熱感:手足は氷のように冷たいのに、上半身や頭部には熱っぽさやのぼせ感がある
- 自律神経と呼吸:緊張感が抜けにくく、呼吸が浅い
- 消化吸収力:胃腸がもたれやすく、食事の絶対量(特に肉・魚・卵などのタンパク質)が不足
「病院では問題ないと言われたけれど、身体は冷えや疲れのサインを出している」──このギャップを丁寧に紐解き、アプローチしていくのが当院の施術方針です。
東洋医学的な評価──「頭熱足寒」とは?
東洋医学では、健康で気血の巡りが良い状態を「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」(頭は涼しく冴え、足元やお腹は温かい状態)と呼びます。
しかし今回の患者様は、その正反対である「頭熱足寒(ずねつそっかん)」の状態にありました。自律神経の過緊張やストレスなどにより、熱や気が頭部にばかりこもり、下半身・子宮・卵巣がある骨盤内へ温かい血液(気血)が十分に巡っていなかったのです。
お身体に見られたサインと東洋医学的な解釈
- 低温期でも36.5℃と体温が高め:身体の余分な熱が上半身(胸・頭部)に停滞している兆候。
- 胃腸が弱い・食事量が少ない(脾胃虚弱):東洋医学では消化器系(脾胃)が気血(エネルギーと血液)をつくる大元です。胃腸が弱いと、毎月新しく作られる内膜の材料が不足してしまいます。
- 呼吸が浅い:自律神経が交感神経優位(緊張モード)になり、血管が収縮して末梢血流が低下しているサイン。
- 高温期が短い:子宮を温め、着床環境を維持する力(腎陽)が不足している傾向。
つまり、「① 上半身に熱がこもって下半身の血流が乏しい」ことと、「② 消化吸収力の低下で内膜の材料(気血)が足りない」という2つの要因が重なり、内膜が育ちにくい状態を作っていたと考えられました。
当院の施術・ケア方針──「頭寒足熱」の身体づくり
1. 頭部の熱を下半身へ降ろす鍼灸施術
首・肩・背中周辺の筋緊張を丁寧に緩め、頭部に滞った熱を足元へと逃がすツボ(百会・風池・太衝・太渓・三陰交など)を選穴。過剰な緊張を解き、下腹部や骨盤内へ温かい血液が巡るルートを開通させました。
2. 脾胃(消化吸収力)を高めるアプローチ
どんなに良い食事をとっても、胃腸でしっかり吸収できなければ子宮内膜の材料にはなりません。お腹周りや足のツボ(足三里・中脘・関元など)にお灸や鍼を施し、胃腸の働きを底上げしました。
3. 分子栄養学・薬膳に基づく食事アドバイス
施術効果を最大限に高めるため、ご自宅での栄養ケアとして以下の2点を実践していただきました。
- タンパク質の補給:子宮内膜やホルモンを作る基礎原料。胃腸に負担をかけないよう、スープや消化の良い卵料理・魚料理を取り入れ、毎食無理のないペースで増やしていただきました。
- ビタミンAの適切な摂取:子宮内膜は周期ごとに急速な細胞分裂と分化を繰り返す組織です。粘膜や細胞の健康を支えるビタミンAを、にんじん、かぼちゃ、緑黄色野菜などの身近な食材から意識して摂るようご案内しました。
ビタミンA(レチノール)は過剰摂取に注意が必要な栄養素です。厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では成人の耐容上限量を3,000μgRAE/日としており、妊娠初期や妊娠の可能性がある時期にサプリメントやレバー等を過剰に摂取することは避ける必要があります。当院では「普段のバランス良い食事(野菜中心)」の範囲での摂取を推奨しており、自己判断での高濃度サプリメントの追加は控えていただいております。
施術経過──週1回の施術で約1ヵ月
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初診(通院開始)
人工授精6回不成功。内膜は最高6mm。頭熱足寒および胃腸の弱さに対し、週1回の鍼灸施術と毎日の食事ケア(タンパク質・野菜の工夫)を開始。
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通院2〜3週目(体感の変化)
「足先がポカポカする時間が増えた」「朝の目覚めがすっきりして胃もたれが減った」など、自律神経と血流の改善サインが出始める。
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通院約1ヵ月後(胚移植当日)
クリニックの超音波検査にて、子宮内膜が約10mmまでしっかり育っていることを確認。万全のコンディションで胚移植を実施。
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判定日:妊娠成立(陽性反応)
クリニックにて陽性判定。着床後も安胎(着床維持)を目的とした施術を継続。
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ご出産
母子ともに大変健康な状態で、元気な赤ちゃんをご出産されました。
院長による考察──なぜ約1ヵ月で内膜が育ったのか?
1. 骨盤内への血流ルートが再開したこと
「頭熱足寒(上熱下寒)」の状態では、交感神経が昂ぶり下半身の末梢血管が収縮しています。鍼灸によって首肩の緊張を緩め、熱を下に逃がしたことで、子宮動脈やらせん動脈の血流量が増加し、内膜への酸素と栄養の供給が劇的に高まったと考えられます。
2. 胃腸の回復により「内膜の材料」が届いたこと
内膜を育てるには、血液そのものの質と材料が不可欠です。脾胃の働きが高まったことで、食事から摂ったタンパク質やビタミンがしっかり消化・吸収され、細胞増殖を後押ししました。
3. 近年の医学研究・エビデンスとの関連
生殖医療と鍼灸の併用に関しては国内外で多数の研究が行われています。胚移植前後に鍼灸を行うことで着床率・臨床妊娠率が有意に向上したとする無作為化比較試験(RCT)[1]や、鍼通電刺激が子宮内膜受容能に関わる遺伝子発現や概日リズムを整える可能性を示した基礎研究[2]などが報告されています。
当院では、こうした現代医学的な知見を尊重しつつ、東洋医学の弁証論治(体質改善)を掛け合わせることで、お一人おひとりに最適なオーダーメイド施術を行っています。
このようなお悩みをお持ちの方へ
- クリニックの検査では「特に異常なし」と言われるが、なかなか着床・妊娠しない
- 子宮内膜が薄く、移植の基準値(8mm以上など)に届かない
- 手足は冷えるのに、顔や頭はのぼせやすい(頭熱足寒タイプ)
- 高温期が短い、基礎体温が不安定
- 胃腸が弱く、疲れやすい・食事の量が少ない
お身体の状態やお悩みは一人ひとり異なりますが、「頭寒足熱」のバランスと「消化吸収の土台」を整えることは、タイミング法・人工授精・体外受精のどの段階においても極めて重要なステップです。
「自分にできる準備をしっかり整えて治療に臨みたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
一人で悩まず、まずはお気軽にご相談ください
基礎体温表やクリニックでの検査結果をお持ちいただければ、東洋医学・栄養学の両面からお身体の状態を分かりやすく解説いたします。
▶ 初回カウンセリング・施術のご予約はこちらよくあるご質問(Q&A)
Q. クリニックで「問題ない」と言われていても、鍼灸を受ける効果はありますか?
A. はい、大いに意味があります。病院の検査は器質的な病変を見つける上で非常に重要ですが、「冷え」「血流の滞り」「胃腸の吸収力」「自律神経の乱れ」といった機能面の不調は数値に現れにくいものです。本症例のように、身体の根本的な土台を整えることで、クリニックでの治療成果をしっかりと引き出すサポートが可能です。
Q. 低温期なのに体温が36.5℃以上あります。異常でしょうか?
A. 低温期の体温が高めの場合、東洋医学では上半身に熱がこもる「頭熱足寒」や「陰虚(潤い不足によるほてり)」のサインと捉えることがあります。基礎体温表を数周期分お持ちいただければ、体質に合わせた改善アプローチをご提案いたします。
Q. どのくらいの通院頻度が必要ですか?
A. 本症例では週1回のペースで約1ヵ月間集中して施術を行いました。移植の予定日や月経周期、現在のお身体の状態に合わせて最適な通院プランを初回に詳しくご説明いたします。
参考文献・出典
- Westergaard LG, et al. Acupuncture on the day of embryo transfer significantly improves the reproductive outcome in infertile women: a prospective, randomized trial. Fertility and Sterility. 2006;85(5):1341-1346.
https://www.fertstert.org/article/S0015-0282(06)00212-3/abstract - Zhu Q, et al. Electroacupuncture improves endometrial receptivity and pregnancy outcomes in controlled ovarian hyperstimulation rats by restoring Per2 circadian rhythm. Frontiers in Physiology. 2026.
https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2026.1812562/full - 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」──ビタミンAの食事摂取基準(耐容上限量 成人 3,000μgRAE/日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586561.pdf - 内閣府 食品安全委員会「ビタミンAの過剰摂取による影響」ファクトシート
https://www.fsc.go.jp/topics/factsheet-vitamin-a.pdf
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この記事の執筆・監修者
※本記事に掲載している症例は、患者様ご本人の同意とプライバシー保護への配慮を行った上で掲載しております。
※施術の経過や効果には個人の体質・生活環境等により差異があり、同様の結果を保証するものではありません。
※当院の鍼灸施術および栄養指導は、産婦人科・生殖医療専門医による高度生殖医療を補完し、お身体の土台を整えるためのサポート(補完代替医療)です。治療方針や投薬等については必ず主治医の診断・指示を最優先してください。




