【症例】39歳からの不妊治療 体外受精への不安と体調不良を乗り越えご出産された事例
体外受精がすぐに始まることへの不安を抱え、当院にご来院された39歳の患者様の事例です
[主なお悩みと初期のお身体の状態]
全身の症状:冷え性、頭痛、肩凝り、寝汗をよくかく、甲状腺機能低下
胃腸の症状:胃痛、食欲不振、お腹の冷え、季肋部(みぞおちのあたり)の硬さ
睡眠の質:夜間の食いしばり(側頭筋・咬筋の硬着)、途中で目が覚める、夢をよく見る
甲状腺機能低下症については医療機関で治療を継続されていました。
当院では医師による治療を前提に、体調管理を目的として鍼灸施術を行いました
今回は「寝汗をよくかく」という逆の症状が出ていました
当院では、これは自律神経のバランスが崩れている可能性があると考え、まずは自律神経を整える施術を優先しました
当院のアプローチと経過
① 緊張の緩和と自律神経の調整
長時間のパソコン作業や不妊治療への不安から、交感神経が優位になっていました
特に首から背中にかけての僧帽筋の緊張が強く、首肩周囲の筋緊張がリラックスしにくい状態につながっていると考えました
② 東洋医学的アプローチ(胃腸の回復と巡りの改善)
東洋医学では、寝汗は身体のバランスの乱れや慢性的な疲労のサインの一つと捉えます
また、胃腸(脾胃)の元気が落ちているため、食事から十分なエネルギー(後天の気)を作れない状態でした
さらに、みぞおち周辺(季肋部)の硬さが呼吸を浅くし、体内に熱がこもって冷え、のぼせを引き起こしていると考えました
お腹からみぞおちにかけて鍼灸施術を行い、お身体を緩めていったところ、施術後に胃痛が軽くなったとのご感想をいただきました
また、お身体全体の巡りが良くなり、温かさを実感していただけるようになりました
採卵・移植、そしてご出産へ その後、ご自身でのよもぎ蒸しも併用され、冷えをほとんど感じない状態まで改善
頭痛や胃痛の頻度も減り、万全の状態で採卵に臨まれました
採卵では良好な評価の胚を得ることができました
1回目の移植で着床、心拍確認まで進みましたが、大変残念ながら2回目の心拍確認ができず、流産という結果になってしまいました
流産による精神的なダメージに加え、つわりの影響で胃腸の機能も再び低下していました
東洋医学において胃腸はエネルギーの源です
次の移植に向けて、まずは「心のケア」と「胃腸を温めて動かすケア」を最優先にアドバイスと施術を行いました
お身体と心が再び整った段階で2回目の移植に臨まれ、無事にご出産を迎えられました
*これらはあくまで一例であり、お体の状態や体質によってアプローチや経過は異なります
当院では丁寧なカウンセリングをもとに、お一人おひとりに合わせた施術を行っています
また 本症例では体外受精や採卵、移植などの生殖医療については医療機関で実施されています
当院では医療行為は行わず、鍼灸や生活習慣改善を通じて体調管理のサポートを行っています
※本症例は、結果には個人差があり、妊娠を保証するものではありません
【東洋医学的考察】
初診時は、みぞおち(季肋部)の緊張が強く、肋骨の動きも硬くなっていました
東洋医学では、このような状態を「気滞(気の巡りが滞った状態)」と捉えることがあります
また、胸郭の動きが制限されることで呼吸が浅くなり、東洋医学でいう「肺の宣発作用(気を全身へ巡らせる働き)」も十分に発揮されにくい状態と考えました
そのため、みぞおちから肋骨周囲の緊張を緩め、呼吸をしやすい状態へ導くことを目的に施術を行いました
その結果、ご本人からは胃痛の軽減や身体が温まりやすくなったとのご感想をいただきました
本症例では、東洋医学的な所見(気滞・脾胃の虚弱など)と、西洋医学的な検査結果や医療機関での治療経過をあわせて評価し、施術方針を決定しました
【この記事の著者】
市川博永 はり師・きゅう師(国家資格)
開業18年、延べ10万人以上の施術経験を持つ
自身も不妊治療を経験し、その経験をもとに分子栄養学・中医薬膳を学び、現在は妊活専門の鍼灸施術を行っている
IGL医療専門学校や婦人科セラピー協会で講師も務める



